なんとなくひと段落とおもいきや・・
前回まで
がんとわかってからリンパ節を切除する手術までを
ご紹介しました。
パパは結婚してから風邪もほとんど引かなかったし
何もかもが初めて。
なんとなく、これで一息というか
もう大丈夫だよね・・って
思いたかったわけです。
しかし、残念なことにがんは浸潤していました。
リンパから漏れ出したがん細胞がまた、いつどこで
転移し発生するかわかりません。
対策としては
やはり、抗がん剤投与。
これは、いい細胞も一緒にダメージを与えます。
でも何もせず放っておくと
確実にがん細胞が他の元気な細胞をむしばんでいきます。
まずは、がん細胞の増殖を防がなければなりません、
抗がん剤の投与は1週間の入院で、2日目に3時間ほど点滴。
点滴が終わって退院までに副作用が出て苦しみます。
退院して2週間、自宅療養をし、次の投与の入院に備えます。
これが1クールで、合計3クールを行います。
1クール目、2クール目、3クール目
それぞれ副作用の出方が違っていました。
1クール目投与の2,3日後までそこまでひどくなかった
吐き気やめまいは4日目から退院まで続き、更に
自宅での2週間の半分は弱めの吐き気が続くような感じでした。
2クール目からは
30回で計60グレイの標準的な照射の
放射線治療と併用で行うことになりました。
今までの病院から、がんセンターへ行くことになりました。
特殊な放射線治療
話が少し前後します。
パパのがんの原発がみつからないという
お話を以前にしましたが、
この時点でも見つかりませんでした。
しかし、首のリンパに転移する可能性の高いがんは
喉頭(上咽頭、中咽頭、下咽頭)、
食道、胃、舌、鼻などの辺りが怪しい、とのこと。
特に、舌や鼻などは味も匂いもOK、
口内炎ができているわけでもなく・・
胃も食道も大丈夫。
ということで、やはり咽頭のどこかが怪しい。
(過去のデータにもあるんですが)
ということで、そこが原発と仮定し、
再発転移を抑えるために、
できやすい可能性を徹底的にゼロにする、と
いう理由で放射線治療をすることになりました。
ところが、
首から下の部位のがんと違い、放射線を照射する部分が
ほぼ首から上の部分のため、
粘膜部分(喉、鼻、口)のあたりに
ダメージを受けるわけです。
放射線治療の悪い部分を事前にたくさん
実例入り、写真入りで説明されます。
例えば、歯の治療について・・
歯茎にも放射線は当たるわけですから、
その部分の後遺症として
傷が治りにくい、などが起こります。
もともと虫歯があったり、万一歯茎が弱くなって
歯を抜いたりということができなくなります。
骨髄炎になる可能性が非常に高くなるそうです。
なので、事前に抜くべき歯は抜いてしまうのです。
そのほかにも普通の歯医者さんでは診てもらえない
細かい治療、予後の治療などは
今までの近所の歯医者さんではなく
がんセンターの紹介してくれる歯医者さんに
移ることになりました。
それから、一番怖かったのは・・
嗅覚障害、味覚障害などの
副作用に関する情報です。
情報がほとんどないのです。
特に嗅覚、味覚・・
特殊マスク作り
このようなものを作ります。
他の箇所に放射線を当てる方法と
同じようにすると、味覚、嗅覚、その他
食事が喉を通る際などの火傷など
後遺症は数知れず、
少しでもダメージを受ける可能性を低くするために
特殊なマスクを作って照射することで
副作用を軽減できるよう放射線量を調節できる方法
を行うことになりました。
それをするには、今までの病院では技術も機械もなく
転院することになりました。
ものすごく気が滅入った状態で
そうなってもいいです・・と
数々のリスクヘッジのための
こわーい実例写真が満載の
文書にサインしなければ治療は行われないわけで
これは精神的なダメージがかなり大きい。
本人はもちろん、横にいる私でさえ、
うつ病になりそうな感じでした。(泣)
パパのがん闘病記 その10 へ続く